イワトビペンギン
学名:Eudyptes chrysocome
英名:Southern Rockhopper Penguin
亜種:
ミナミイワトビペンギン E.c.chrysocome/キタイワトビペンギン E.c.moseleyi/ヒガシイワトビペンギン E.c.filholi
イワトビペンギン(学名:Eudyptes chrysocome)は、ペンギン科・イワトビペンギン属に分類されるペンギンの一種。やや小型のペンギンで、頭部の黄色の飾り羽が特徴である。
形態
体長45cm-58cmほど。分布域が重なる上に外見がよく似たマカロニペンギンなどの近縁種もいるが、イワトビペンギンはこれらの中でも最も小型である。
成鳥の目の上には眉のような黄色の羽毛があるのが大きな特徴である。これはマカロニペンギンなどにも見られるが、イワトビペンギンは目の後ろで大きく広がる飾り羽になっている。この飾り羽とともに頭部の羽毛も長く伸び、特徴的な冠羽を形成している。目とくちばしが赤く、足はピンク色をしている。
地上では他のペンギンのようによちよちと歩かず、(スズメのように)両足を揃えて飛び跳ねながら移動する。和名の「イワトビペンギン」、英名『Rockhopper Penguin』ともこの様子に由来する。他にもこの様子を表した「ねずみ花火」「ジャンピング・ジャック」、または冠羽に因んだ「かんむりペングヰン」「有冠ペンギン」などという別名もある。
性格は攻撃的で、近くを通ったりすると攻撃してくる。
分布
インド洋南部から南大西洋にかけて分布し、マカロニペンギン属の中で最も広範囲に分布している。なお、生息域は全体として北へ移動しているという。南限はハード島とマクドナルド諸島(南緯53度)、北限はトリスタン・ダ・クーニャ諸島(南緯37 度)。主な繁殖地はフォークランド諸島、マッコーリー島、プリンス・エドワード諸島、クローゼー諸島、ケルゲレン諸島などである。
亜種
広い分布域の中で体長、冠羽の長さなどが異なる3亜種が知られている。3亜種はそれぞれ地理的に孤立し、種の分化が進んでいるものとみられる。
- ミナミイワトビペンギン E.c.chrysocome - パタゴニアからフォークランド諸島の周辺海域
- キタイワトビペンギン E.c.moseleyi - ミナミイワトビペンギンに接した南大西洋、インド洋南部海域
- ヒガシイワトビペンギン E.c.filholi - オーストラリアからニュージーランドの南岸海域
生態(繁殖行動)
成鳥は4月、5月から10月にかけて繁殖地を離れて外洋で生活する。10月-11月になると繁殖地に戻ってくるが、北方の個体群は7月に戻ってくる。
周囲を崖で囲まれ、植物が生えているような平地や、緩やかな斜面に好んで巣をもうける。オスは小石を積み上げて簡素な巣をつくるが、この時に多くの小石を集められるオスほどメスに好感を持たれる。繁殖地の巣の密度は高い。鳥にしては夫婦の絆が強く、2年続けて同一のつがいを組む率は58%に達する。
11月-12月初旬に産卵する。巣の卵は2個(両方とも受精卵)だが、はじめに産んだ卵は廃棄される場合が多い。これはマカロニペンギン属全般に見られる習性である。
抱卵期間は32日-34日で、オスとメスが交代で抱卵する。孵化したヒナは33日-39日間は巣で給餌を受けるが、そのうち最初の24日-26日間はオスがヒナを守り、メスが給餌する。
成長したヒナはヒナだけで集まったクレイシュを作り、親鳥は両方ともエサを取りに出かける。はじめの一週間はメスが給餌するが、その後はオスとメスが交代でヒナが巣立つまでの65日-75日間、1日-2日おきに給餌する。
巣立ちは北方の個体群で12月-1月、南方の個体群では2月頃である。ヒナの巣立ち後に成鳥は換羽を行うが、換羽中は水に入れず、エサを取ることが出来ないので、換羽前の20日-30日間(北方では60日間)は海に出て食いだめする。換羽の間に体重は40%ほども減少する。